ビジネスシーンでは、正しい敬語の使い方が求められます。
特に大切なのが、取引先の人々や他の会社の従業員をどのように呼ぶかです。
間違った呼び方をすると、指摘はされないままでも、礼儀がなっていないと見られてしまうことがあります。
だから、他社の人々の正しい役職の呼び方を把握しておくことは非常に重要です。
この記事では、取引先などの社外の人々や自分の上司の役職の呼び方、メールでの表現について解説します。
社外の人々の役職の呼び方
役職名を使って呼ぶこと自体が敬意を表しています。
例えば、「課長」や「部長」などの役職名で呼ぶのが一般的です。
しかし、「課長さん」や「部長様」などという呼び方をするのは誤りです。
役職名だけで十分敬意を表しているため、これに「さん」や「様」を加えると敬称が重なり、かえって失礼にあたる可能性があります。
同じことが、自社の上司にも当てはまります。
通常は「課長」だけで呼ぶべきです。
ただし、会社によっては「○○さん」と呼ぶ文化があるかもしれません。
その場合は、会社の習慣に従いましょう。
初対面での役職者への対応
初めて会う取引先の役職者に対しては、より丁寧な対応を心がけましょう。
名刺交換の際には、相手の役職に注目し、適切な敬語で対応することが第一印象を良くします。
「お世話になります」「ご指導いただければ幸いです」などの表現を用いると良いでしょう。
敬語のレベル調整について
相手との関係性や状況によって、敬語のレベルを適切に調整することも大切です。
長期的な取引相手であっても、公式の場では正式な敬語を使い、プライベートな場では少しくだけた表現を使うなど、TPOに応じた使い分けができると円滑なコミュニケーションにつながります。
取引先や社外での自分の上司の呼び方
電話や打ち合わせで社外の人と話す時、自社の上司をどう呼ぶべきでしょうか。
ここでは、直接的な呼び方が適切です。
例えば、自社の社長を例に取ると、外部の人との会話では「社長の○○」と呼ぶのが一般的です。
「うちの〇〇社長」という表現は避けるべきです。
それは、「うちのママが〜」と言っているようなものと同じで、あまりふさわしくありません。
ポイントは、役職を使わずに苗字だけで呼ぶことです。
社内では「○○部長」と言いますが、外部とのやり取りでは「部長の〇〇」という表現を使います。
取引先や社外の役職の人をメールではどう呼ぶ?
メールで取引先の部長に言及する場合、単に「○○部長」と書くのが基本です。
しかし、「様」や「さん」を付けずに書くのが不快に感じる人もいるかもしれません。
そのような場合は、「部長の○○様」と表現すると良いでしょう。
先述の通り、「○○部長様」のように二重敬語は避けた方が無難です。
電話では?
電話で取引先を呼び出す際も、「部長の〇〇様をお願いします」と頼むのが丁寧です。
電話をかけた際には、必ず自己紹介を忘れずに。
例えば、「○○会社の〇〇です。部長の○○様はいらっしゃいますか?」と尋ねるのが礼儀正しいです。
たとえ相手と親しくなっていても、電話で「○○さんいます〜?」と軽い呼び方は避けるべきです。
軽い態度は相手に悪印象を与える可能性があるからです。
自社の上司について、社外でのメールでの言及は役職を抜いて、名前のみで書くことが一般的です。
たとえば、「弊社課長の○○がお伝えしたいとのことです。」といった表現を用います。
電話の場合も、「○○がお会いを希望しています」や「部長の○○はただ今席を外しています」などと言います。
オンライン会議での敬語使用
リモートワークの増加に伴い、オンライン会議での敬語の使い方も重要になってきました。
画面越しでも「○○部長」と役職で呼びかけることを忘れないようにしましょう。
また、チャット機能を使う際も略語や絵文字は避け、フォーマルな文章を心がけることが望ましいです。
役職の呼び方に関する業界別の違い
業界によって敬語や役職の呼び方に微妙な違いがあります。
例えば、金融業界では特に形式的な敬語表現が好まれる傾向があります。
一方、IT業界やベンチャー企業では比較的カジュアルなコミュニケーションスタイルが一般的です。
自分の業界の慣習を理解し、相手の業界の文化も尊重することが重要です。
外国企業との取引における注意点
グローバルビジネスの場面では、日本独自の敬語文化に戸惑う外国人ビジネスパーソンも少なくありません。
例えば英語圏では役職名の後に”Mr.”や”Ms.”を付けることもあります。
国際的なやり取りでは、相手の文化背景に配慮しつつ、適切な敬意を示す表現を選びましょう。
まとめ
取引先との会議で相手の呼び方を誤ると、自分だけでなく会社にも不利益を与えかねません。
社外では自社の人々も家族のように扱い、例えそれが社長であっても名前のみで呼ぶことを覚えておくと良いでしょう。
また、敬語の正しい使い方も、日常から意識することが大切です。